ポリオワクチン

 飲む生ワクチン(OPV)から注射する不活化ワクチン(IPV)へ

 戦後から大流行したポリオ(急性灰白髄炎)は、ソ連とカナダから輸入した経口ポリオワクチン(OPV)の一斉投与により制圧されました。このように優れたワクチンであるOPVは生ワクチンゆえに、 ワクチン関連麻痺VAPP(vaccine associated paralytic polio)という避けられない副作用があります。OPVの生体内での神経毒性の復帰と糞便中に排泄され伝播する性質のため、OPV服用者及びその接触者に起こる麻痺(VAPP)です。最近では毎年 数名の(平成20年度は6名)VAPPが発生しています。(男女比は8:1で男子に多い)頻度は220万人〜450万人に1人の割合と言われていますが、VAPPは根本的な治療法はなく生涯残るきわめて重い副作用と言えます。このためVAPPを起こさない不活化ポリオワクチン(IPV)が必要となってきます。ポリオ流行のない国々ではすでにIPVが広く使用され、先進国でOPVの投与を続けているのは日本だけです。日本も独自にIPVの開発を進めていますが実用化までにはあと数年かかるようです。日本小児科学会ではそれまでの間は、ポリオの抗体価を維持するためOPVの服用を続ける声明文をだしましたが、その間VAPPになる方が出ます。こような事態を避けるため日本では認可されていませんが、広く世界で使用されているIPVを輸入し使用する医療機関が日本でも増えています。当院でもIPVを希望者に接種することにしました。

 副作用

 比較的よく見られる副作用は 接種部位の痛み 発赤 腫れ 軽度の発熱

 0-0.1%未満見られる副作用は 接種部位の浮腫 リンパ節の腫れ・アナフィラキシー・接種後数日以内に起きる一過性の軽い関節痛や筋肉痛・2週間以内に起きるけいれん 頭痛 一過性の麻痺・数時間以内もしくは数日以内におき 急速に改善する不眠 不機嫌・大きな紅斑など

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